浅田彰は30年前の深夜番組で現代のテレビの惨状を予測していた。

人文学博士、哲学者の浅田彰博士が、26歳の時(私が24歳!)京都大学人文科学研究所の助手をされていました。
この時点で十分にインパクトがでかいのですが、浅田彰博士が専攻された学問は経済理数学です。
人文学、哲学は本人が学ぶ時代では「ついで」か「趣味」だったのでしょうか。
とにかく博士が、当時、まだビデオテープが「VHS」か「ベータマックス」か、
はたまた、「サンパチ高速オープンリール」かの時代に、すでに現在のコンテンツの状況を近未来的に解説されていました。
深夜番組(もちろんテレビの)でした。

あまりにも若い。
内容は予測通り濃いものでした。無理してビデオデッキを買って正解でした。この深夜番組を拝聴するために買ったのです。
「マックロード」です。
このお話の中で、強烈なインパクトとして残った残ったのが、
「フラクタル」の概念の例として「マンデルブロー集合」の画像を観せてくださったことです。感動しました。
知りたい方は、「浅田彰 深夜番組」「浅田彰 ビデオ進化論」「浅田彰 フラクタル」
「浅田彰 マンデルブロー集合」などのワードで検索されるとよろしい。

浅田彰氏のお話の「趣旨」としてご紹介できれば良いのですが、私の印象に焼き付いたことでしか申せないのが残念です。
それは、「テレビ放送の時間の奪い合いに意味がなくなる。」、
「テレビ放送において、時刻に価値(値段)を求めることは無意味となる。」、
「放送局の数は全然足りない。2ケタ足りない。」などでした。
浅田彰博士の考えに微塵の非が認められない現代です。
浅田氏が予測していた未来に制作側の想像力が追いつかなかったため、テレビ離れが起きてしまったかのようです。
「録画」が家電にやってきたのは、30年少し前です。
詳しくは述べませんが「8ミリフイルム」と「ビデオテープ」の実用化に貢献したのは同じ文化「ポルノ」です。

今後のテレビ市場

地上波テレビが廃れてきて、CSのデジタル放送や、オンデマンドコンテンツなら伸びるのだろうかと思っていましたが、
先週、ある放送が終了しました。
そう言えばデジタルテレビ移行前に大変な魅力を与えた「デジタルラジオ」、「デジタル文字放送」。
「デジタルコンテンツ放送」の全てが消えてしまいました。
21世紀に入って、BSーiの双方向クイズ番組「クイズタイムオーバー」がありました。
その番組のためだけに当時他局でも放送されていた、ポイント獲得ゲームに便利なコントローラーを買いました。
このおかげで、このクイズの「頂上」を獲得したことがあります。
その番組は双方向リアルタイム処理で全国からの参加者を集計し、次の放送で名前を出してくれるのです。
遊びですが、参加規模がデカイので「頂上」に登ったことは嬉しい思い出です。
その後、双方向番組も廃れていいます。お天気番組などのショボいコンテンツしかありません。
考えてみれば、廃れます。こればかりはどうしようもないでしょう。
テレビコンテンツのスポンサーになるより、バッチリ「SEO」が施されたウエブコンテンツに
アフリエイトしてもらう方が安いのですから。しかもきっちり、出来高払いなので失敗がありません。

「4K」と「 3D」~テレビの進化に未来はあるか?

テレビの未来

「テレビ離れ」をコンテンツの内容でなんとかしようとしても、作成者側の企画段階にやる気が見えません。
先に述べた通り、女性向け週刊誌表紙状態の画面やら、CMの時間で視聴者が忘れるのを期待してだか、
「重複」で時間稼ぎをしている中身のない番組が氾濫している現状、無理なことは無理です。
では、コンテンツの内容ではなく、品質では期待出来るかもしれません。美しい画像。「4K」です。

確かに、ハイビジョンを初めて家庭で観て、その美しさには驚きました。しかし、残念ながら、その感動は私が限界層でしょうか。
もう少し若年者もあるかなあ。とにかく、以前の画像を知る者でないと4Kの美しさは理解できないのです。
そして、その時代に突入しています。4Kの画像を特に「美しい」とは思わない世代に変わりつつあるのです。
つまり、ハイビジョン画像が彼らには「標準」なのです。
その彼らの代表として、すでに大人で画像のプロ、「デジタルクリエーター」の娘に大型家電量販店で「4K」の感想を聞きました。
「50インチを超えないと認識できない。」と言いました。そして曰く。「ストレージの無駄ジャン。」です。
4Kの開発者の皆様には水を刺す意見ですが、現実です。
はっきり言って、ハイビジョンデータがハーフサイズで32インチテレビジョンに与えられていた時点で、
フルスペックハイビジョンとの違いが解らないほど美しかったのです。37インチを超えないと認識できない。ということでした。
今度は、50インチ?パチンコ屋さん広告じゃあるいまいに、居間のどこに置くの?はっきり言って、でかいと疲れます。
テニスの観客ではあるまいに、家の中で家族がみんなで、目やら首を動かして観なくてはならんのは非現実的です。
新築一戸建てと抱き合わせで売るなら理解できます。

もう一つあります。「3D」。すでに一部放送されています。しかし、現時点では3Dフォーマットの規格が定まっていません。
このままだと3Dは全フォーマットに対応せねばならなくなり、ハードウエア、ソフトウエアに大きなロスを生じます。
多分、今、放送している3Dは、開発メーカーグループの思惑で先走りさせ、既得権益を睨んでいると考えます。
東芝が牽引して、「裸眼式3D」を出していますが、センター線上以外の者は理論上、
脳が強制的に処理して立体視できているので非常に疲れます。センターからずれた人の立体視は、
生体が環境に適応する能力があるからであって、無理があります。
子どもの携帯ゲーム機が裸眼3Dですが、実際に3Dモードで楽しんでいる子は少数派です。
子供でさえ、センター位置でも疲れるのです。我々には? 推して測るべし……。「3D」に商機はないように思います。